北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

但木敬一・元検事総長の顔がやけに目立つが・・・

今朝(3月15日)の朝日新聞は,
高浜原発(福井県)をめぐる福井県高浜町元助役の
汚職事件について,
第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)の調査結果が公表されたことで,但木元検事総長のお顔が写った写真を,三枚も載せていた。

私は,かねてより,いつか一言,彼に言いたいことがあるのだが・・・。

 

 

私が,但木元検事総長に言いたい一言とは,
「黒川・東京高検検事長の『違法な定年延長問題』
について,検事総長OBとして,何故,声を挙げないのか?!」
ということではない。

但木元検事総長は,
私のライフワークとなった名古屋刑務所事件が平成14年に勃発し,
行刑改革が国会審議の中心課題となった当時,
法務省事務次官だった。
したがって,当時,衆議院・法務委員会の野党筆頭理事であられた,
河村たかし議員(現・名古屋市長)からの国会質問・問題提起を目の当たりにして,

名古屋刑務所事件が,
いかにインチキな証拠からでっち上げられた国策・えん罪事件であることを
十分に知り得る地位にあった人物だ。

私は,現在も,名古屋刑務所事件の「再審」請求に取り組んでいるが,

かれこれ十年ほど前であろうか? 私は,名古屋刑務所事件の対応を機に盟友となった,N先生(法医学教授)に,ある医療過誤事件裁判で,鑑定意見書を書いてもらったお陰で,患者側代理人として,全面勝訴したことがある。そして,その医療裁判の判決は,判例時報等の法律雑誌に掲載された。この関係で,この医療裁判事案の類似ケースについて,是非,私の訴訟対応を参考にしたいということで,「モリハマ事務所」の某女性弁護士が,私にアポをとってきたことがあった。私は,もちろん快く(依頼者の同意のもと)訴訟資料全部を参考資料として,彼女に提供してやったことがあった。

そして,彼女は,私に尋ねた。
「大変参考になりました。このお礼はどのようにさせていただいたらよろしいでしょうか。」と。

これに対し,私は,次のように答えた。
「お礼など必要ありません。ただ,私が手掛けた訴訟資料が,多少ともお役に立てたのであれば,私からも,貴方にお願いがある。私は,ある刑事事件(名古屋刑務所事件)で,無罪・えん罪と確信している事案がある。その理由については,最高裁に提出した上告理由書に詳細に書いてある。これを貴方に送るので,これを是非,但木敬一元検事総長にお渡しして,読んでもらうよう仲介してもらいたい。と。

そう,但木元検事総長は,当時,既に検事総長を65歳で定年退職され,
その後,「モリハマ事務所」に就職していたのであった。

かくて,カノ女性弁護士は,私の申し入れに応じ,
私が心血を注いで起案した上告理由書を,
「但木元検事総長に,確かにお渡ししました。」との報告をくれた。

が,残念ながら,その後,但木元検事総長からは,何の音沙汰もなかった。
しかしながら,もし仮に但木元検事総長が,私の上告理由書を真摯に読んだのであれば,内心忸怩たるものを感じたに違いない,と自信をもって言える。
私が,但木元検事総長の言いたい一言とは,このことだ。
「私が心血注いで起案した,名古屋刑務所事件の上告理由書を,
あなたは真面目に読んだのか?!! 
元検事総長として,恥を感じないのか??!」と。