北口雅章法律事務所

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同居女性のオウムを窒息死させたら,何罪が成立するか。

日本で,同居女性のオウムを窒息死させると,何罪が成立するか。
われわれが大学で刑法を学習した時代は,器物損壊罪(刑法261条)で,懲役3年以下だった。だが,今や,「動物の愛護及び管理に関する法律」第44条1項違反で,懲役5年以下になる。

 

香港のケースでは,オウムを窒息死させた同居男性が,自白したので逮捕に至ったとのこと。だが,もし仮に同居男性が「ボクは殺していない。突然死ではないか。」と否認したら,窒息を証明できるのであろうか?

人間の場合であれば,死体を「検案」(医師が死因を判定するために死体の外表を検査すること)することで,首を絞めた痕跡や,顔のうっ血等から窒息と判定することは不可能ではない。だが,オウムの場合,嘴を閉塞すれば窒息させることが可能であり,顔は羽毛で覆われているので,顔面等の外表にうっ血所見がでてくるか疑問であろう。ということは,解剖した上で,肺うっ血の所見等を確認しないと死因を窒息死として特定できないのではないか。だが,昨今の日本の警察は怠慢なので,獣医師に指示して解剖させるなど,そこまでの捜査はしてくれないのではないか?