弁護士のブログBlog
米国は、イランに勝てるか?
- 2026-03-15
「米国は、イランに勝てるか?」という問いは、裏を返せば、「米国は、『イランを敗北に』追い込めるか?」という問いに置き換えられることになる。ここで『イランの敗北』というからには、当然、「無条件降伏」、すくなくとも①「現政権(モジタバ師政権又はその後継者)の転覆」と、②「イランの核放棄」が必須の条件であろう。
結論的には、米国=イスラエル同盟軍が、イランを打ち負かすのは、無理であろう。
このことは、「太平洋戦争での米国勝因」と、「ベトナム戦争での米国敗因」を照らし合わせれば、明らかなことではないのか?
「太平洋戦争での米国勝因」=「天皇の敗北宣言(無条件降伏=ポツダム宣言受諾)」の前提条件として、次の諸条件が挙げられる。
1.物的資源の枯渇(戦闘能力の著しい低下:その1)
・もともと日本には資源がない(資源の欠乏予測が、宣戦布告の動機)
・ 占領地(東南アジア)での敗北と、資源(石油・鉄)の供給元の消失。
・同盟国(ドイツ、イタリア)の無条件降伏(孤立無援)
2.人的資源の枯渇(戦闘能力の著しい低下:その2)
・都市部に対する無差別爆撃(B29による空襲)の継続による都市部・軍事工場(「銃後」)の破壊・灰燼化
・原爆投下(核爆弾の使用)
3.地上戦(沖縄戦)の展開
4.米国内の世論操作(世論支持=リメンバー・パールハーバー「卑怯な不意打ち」)
(外に、「ソ連対日参戦(ソ連の裏切り)」=仲裁交渉の手段の消失を挙げる向きもあるが、これは本質ではない、と考える。)
以上の4条件に対し、「ベトナム戦争の敗因」の方は、どうか。
1. 北ベトナムでは、物的資源が枯渇しない。
・(島国である日本の場合、海上封鎖で干上がり、同盟国の壊滅で支援国がなかったのに対し)北ベトナムの場合は、中国・ソ連からの強力な陸路(中越国境)支援ルート(物資の供給)が確保されていた。これに対し、米国は、中国やソ連の直接介入を恐れて、北ベトナムの港湾や中越国境付近への徹底的な破壊(完全な封鎖)を回避した
。
2. 北ベトナムでは、人的資源も枯渇しなかった。
アメリカは「北爆」で日本空襲以上の爆薬を投下したが、(日本の工業化・都市化社会と異なり)ベトナムのような農業立国(分散型の農村社会)では、電力網や工場を叩いても、国民の生存基盤(米と手作業)は破壊しきれない。工場・学校・病院等の国民生活の基盤は、ジャングルや地下トンネルに移転された(空爆の無効化)。
3. ベトナム戦争では、アメリカは、地上戦をこころみたが、旧正月(テト)の休戦を破り、北ベトナム軍と南ベトナム解放戦線が、南側の主要都市や米大使館を一斉に襲撃したこと(テト攻勢)が奏功し、その際、「米大使館が占拠されかけている映像」が米国内に流れたことで、米国民の「信頼と戦意の喪失」を招き、反戦運動が勃興した。
4.米国内の世論の動向:米軍による民間人殺傷が報道され、米国民は倫理的危機(戦意のさらなる喪失)に陥り、戦費増大によるインフレ悪化、国民生活を圧迫し、反戦運動が加速し、「敗北宣言」に至った。
以上の史実を前提に、
2026年3月現在、進行中の米イスラエル共同作戦(Epic Fury)の帰趨を将来予測すると、米国にとって、「ベトナム戦争以上の泥沼化(経済的・地政学的自壊)」を招くリスクは避けられないのではないか。
1. 物的資源:
・太平洋戦争(日本): 海上封鎖で「完敗」。
・ベトナム戦争(北ベトナム): 中ソの陸路支援で「継続」。
・現在のイラン(2026年):イランは、「国産の軍事産業(ドローン・ミサイル)」を高度化させており、外部支援が止まっても短期的には継戦可能である。また、陸路と「イスラム教」でつながる同盟国(シリア、イラク等)からの資源の供給が可能であり、日本のような「完全な干上がり」は起こりにくい。
・米軍によるホルムズ海峡付近の拠点(ハルク島など)への攻撃は、イランの資源供給を叩くものであるが、それは同時に「世界の石油供給」を止める「諸刃の剣」となる。
2. 人的資源:
・太平洋戦争(日本): 都市焼失で「崩壊」。
・ベトナム戦争(北ベトナム): 地下・ジャングル分散で「無効化」。
・現在のイラン(2026年):イランの核施設や軍事拠点は、ベトナムのトンネル以上に強固な「地下・山岳基地」に深く埋設されているといわれており、現在の空爆技術では、一層は無理であって、地上戦(前記3)の展開も無理ではないか。
・米国は、最高指導者ハメネイ師の殺害に成功したが、その後継者として、ハメネイ師の息子・モジタバ師が最高指導者としての地位を確保しており、特に、ハメネイ師をはじめ戦死者は、イスラム教のイラン側にとっては「殉教者」となることから、「ハメネイ師=殉教者」の息子・モジタバ師は、「殉教者の遺族代表」としての地位をも確保したことになる。したがって、イラン側が戦意を喪失することは考えにくい。
3. 戦闘の展開:
・太平洋戦争(日本): 沖縄戦で、無謀な本土決戦を予感。
・ベトナム戦争(北ベトナム): 米国の戦意を消失。
・現在のイラン(2026年):アメリカが、地上戦(イラン侵攻)を展開すれば、イラン正規軍だけではなく、域内代理勢力(フーシ派、レバノン・ヒズボラ、イラク民兵)を相手に、ベトナム以上の「広大な山岳ゲリラ戦」を闘うことになる(高原・山脈・砂漠等、イラン国土は、日本国土の約4.4倍)。米国民&TRUMP大統領には、「ベトナム戦争敗北」のトラウマがあるから、地上戦を展開できまい。
4. 国内世論と経済
・太平洋戦争(米国): 真珠湾で団結。
・ベトナム戦争(米国): 倫理的危機とインフレで自壊。
・現在のイラン(2026年):イランによるホルムズ海峡閉鎖やサウジ油田への報復攻撃により、原油価格が急騰。米国内では「正義」よりも「生活の困窮」に対する不満が、ベトナム戦争時の反戦運動よりも早く爆発する可能性がある。これでは、「コスト・パフォーマンス」に依存する米国民の支持は得られまい。
結論として、米軍=イスラエル軍が「軍事的」にイラン軍を圧倒しても、国際法違反の一方的な先制攻撃に対する、イスラム教徒の結束は強固で、イラン側に「敗北宣言(「ポツダム宣言」)」を受諾させることは、無理ではないか、と予想する。

アメリカの威勢はいいが…
TRUMP「…今日(3月13日)、あのクズどもに何が起きてるか見届けてほしい。」
ヘグセス国防長官「(モジタバ師は)負傷し、外見が醜くなっているようだ。」

