弁護士のブログBlog
いつかは行こうと思っていた薬師寺に出向いた際、その足で北上し、唐招提寺に立ち寄った。
だが、唐招提寺の中の、鑑真和上の御廟(墓)に立ち寄った時の感動は思い掛けないものだった。それは、唐招提寺境内の北東(鬼門?)方向にある。
静謐な雰囲気を醸す、美しい苔で覆われた敷地の中の小路を真っ直ぐ前に進んでいくと、その御廟はあった。
何故だか、我知れず涙ぐんでしまった。西行が伊勢神宮を参拝したときの和歌に、「何事のおわしますかは知らねども、かたじけなさに涙こぼるる」という有名な歌がある。それに似たものだったと言いたいところだが、このときの感傷は、それだけでもなかったようだ。5回もの日本への渡航失敗を経ても不屈の精神を貫いた鑑真和上のごとく「初志貫徹」と行きたいところだが、なかなか思うがままに準備を進められない大事件を潜在的に抱える自分の現在の状況が情けない、と無意識に恥じたか…
どうやら、鑑真和上の御廟には、かつて、趙紫陽(中国共産党元総書記)も訪れたようだ。