北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

美談の斜視(やぶにらみ)?

元受刑者猛勉強して司法試験に合格,弁護士になる」
となれば,賞賛に値する「美談」(ニュース)である,
と誰しも思う。

しかしながら,その一方で,
元受刑者でも合格できるレベルの「司法試験」なのか,
という見方も「論理的には」成立する。
そして,このような「斜視(やぶにらみ)」的な論旨を主張すると,
その論者は,世間からは,「美談に水を差す者」として,「冷淡な目」で見られることになるのであろう。

しかしながら,

それでも,敢えて言いたい。
「われわれの時代の」旧司法試験は,
「元受刑者」や「元ヤンキー」では,どう逆立ちしても合格できるような試験ではなかった。そのように言明しておかないと,家庭の経済事情等から「涙を飲んで」司法試験を諦め去っていった,大学時代の「仲間たち」のことを思うと,彼らが浮かばれないから。