北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

セクハラ(痴漢)の効用

鎌田實著『がんばらない』(集英社)に,
青年医師・カマタ先生の「板挟みにあったオチンチン」の話が出てくる。

面白かったので,ちょっと紹介しておきたい。
カマタ先生が,青年医師だったとき,
高血圧症狭心症の現病歴をもつ「よしバアサン」を診療したときのこと,
「よしばあさん」(70歳代・女性)の診察をすると,
「偶々」よしバアサンの手が,青年・カマタ先生の股間に触れたという。
その2週間後に,また,「偶然」が重なり,
2週間ごと,「偶然」が訪れるので,
青年・カマタ先生も,その都度,身構えて診察に当たるのだが,
よしバアサンが繰り出す「多彩な新手」のために,
「みじめな敗戦」続きで,逃げられず,
そのうち,「カマタ先生の方でも,満更ではなく,楽しんでいるのではないか?」
というウワサが看護師らの間で広まってしまったらしい。

ところが,カマタ先生が,三井記念病院に,心エコー研修に東京出張された際,
代役の男性医師が,よしバアサンから逃げまくったために,
よしバアサンは,狭心症を再発させてしまった,というのだ。

それから,カマタ先生が諏訪中央病院に戻り,
よしバアサンんの診療を再開すると,以後,
よしバアサンが亡くなるまで,同じことが繰り返され,
以後約15年間,よしバアサンが生涯を閉じるまで,狭心症は再発しなかったとのこと。

つまり,よしバアサンの「セクハラ」に耐え,これを受け容れることは,
「ニトログリセリン」(狭心症の特効薬)よりも,狭心症に効き目があるらしい。
人は,人に触れたいし,触れられたいと思うものらしい。

カマタ先生曰く,「『治療』の原点は,『手当て』である。」と。
なるほどね。

 

(背景事情)

今日(5月26日),妻の勧めで,
NHKの【あしたも晴れ!人生レシピ】(2019年4月12日放送)
のテレビ録画をみた。
ゲストは,医師で作家の鎌田實さんだ。

最初,鎌田慧さん(ルポライター)と勘違いしており,
カマタ先生のことは,全く知らなかった。

なかなか“凄まじい”人生を歩まれているなぁ・・・
と感心してみてると,妻が,書棚から本を2冊もってきた。

それが,鎌田實著『がんばらない』(集英社)と
黒柳徹子・鎌田實共著『トットちゃんとカマタ先生の
ずっとやくそく』(新潮文庫)だ。

どちらも,涙腺への刺激が強い。

それにしても,

後者の最初の方に出てくる,
ユニセフ(国連児童基金)の親善大使としてイラクを訪れた
「トットちゃん」が語る,湾岸戦争後のイラクの惨状は,酷すぎる。
アメリカ=多国籍軍のやり口に対しては,怒りを覚える。

曰く,

多国籍軍は,ピンポイントで,イラク全土の「発電所」を尽く爆撃・破壊する。
イラクで電気がなくなるとどうなるか?
PCが止まって,夜が暗闇?,・・・・どころの騒ぎではない。
「バグダッドでは,町の中を流れるチグリス川の水を電力で浄化して家庭に配り,家庭から出るトイレとか汚れた排水も,電気できれいにして川に流していたが,それができなくなった。水道は出ないので,川の水を酌んで使うしかないが,その川の水は,排水で汚染されている。下水=汚水が街中にあふれ,直接,川に流れ込んでいる。人々は,汚染された水を飲むしかないので,赤痢や腸チフスなどの病気が流行していた。
そういうとき,真っ先に被害を受けるのは,子どもたちです。・・・」

日本も,福島原発事故後の放射線にまみれた汚染水を,太平洋に垂れ流ししていないか?
本当に汚染水は「コントロールされている」のか?
安倍政権が流す情報は,全く信用できないからなぁ・・・