弁護士のブログBlog
今朝方,ダイニングにて,
 「篠沢秀夫先生が亡くなった,ってよ。」とカミさん。
 「そうか。」と言って,朝刊の訃報欄をみるWADASU。
「篠沢教授」といえば,我々の世代は,直ぐに大橋巨泉司会の
 人気テレビ番組「クイズダービー」を思い浮かべる。
 約1名ゲスト出演者も混じっていたが,レギュラー出演者にクイズの問題を出し,
 公募等で選ばれた「ダービー観戦者」に,
 問題ごと,出演者の中から,正答できそうな出演者を選ばせ,賭けさせる。篠沢教授のように正答率が低い解答者の場合は,掛け倍率(オッズ)が高くなるし,はらたいら(漫画家),竹下景子(女優)のように,正解率が高い解答者の場合は,掛け倍率は低く設定されるので,そのような「手堅い」ところに賭けても,観戦者らの手持ち金は増えにくい。
 掛け率を決めるのは,司会者の大橋巨泉だ。
 (ちなみに,愛知県出身の竹下景子の父親は弁護士で,
  WADASUが名古屋弁護士会に登録したばかりの頃は,元気に税務訴訟をされていた。)
篠沢教授は,学者ならば当然に知っていて欲しいと思われる問題でも,
 驚くような的外れの不正解をして,
 泰然自若とニコニコしながら,「愉快,愉快」と発言されてごまかす,
 といった愛嬌のあるキャラクターで,
 (もちろん,専門外であるから笑っていられるのであるが・・・・)
 人間味もあり,人気があった。
そのキャラを思い起こしつつ,朝日新聞の訃報欄をみると,・・・

嗚呼,村上淳一・元教授が亡くなられているではないか!!
 篠沢教授と同じく84歳。
 WADASUは,大学時代,ろくに司法試験の勉強もせずに,
 村上教授のドイツ法の講義には,真面目に出ていた。
 今となっては,佐藤誠三郎の講義と全く同様,全てを忘れてしまっているが。
 ドイツ法といっても,ドイツ法制史に近い内容であったと記憶しているが・・・。
村上教授から教わったことで,今でも覚えていることは,ただ一つ(細かく分けると三つ)。
村上教授は宣われた。
「君たち,ドイツへ旅行に行くことがあったら,
   是非,見てきて欲しいものが三つある。」と。
村上教授(ドイツ法)が,ドイツで鑑賞すべしと宣われた,
 ドイツにおける「三つの目玉」とは,
 具体的には,
 ⑴ オペラ
 ⑵ サッカーの国際試合
 ⑶ 教会ミサでのオルガン音楽
 の三つだ。
当時は,未だ「Jリーグ」がなく,国際試合に於けるサッカーファンの熱狂は,
 日本のプロ野球の比ではない,とのことだった。
 それに,村上教授が言われるには,
「バッハは,レコードで聴くべき音楽ではない。
 教会建物内部での閉鎖的な空間からくる独特の音響効果によって,背後から流れてくるパイプオルガンの音色には,魂を震撼させるものがあり,教会音楽として聞くものだ。」とのこと。
私は,司法試験に合格した年,
 当時,ドイツ(Bonn)に留学中だった友人(当時,京都大学助教授)の新婚家庭に押しかけることも目的の一つに加え,
 ドイツを旅行したことがある。
丁度,「ベルリンの壁」が崩壊した直後だった。
中世の城壁に囲われた街,ゾースト (Soest)を訪れたときは日曜日だった。
 商店街は何処も彼処も閉店。法律で日曜日の営業が禁止されていたのだ。
そうか,教会に入れば,きっと,ミサをやっているに違いない,
 そうすれば,村上教授の言われた,パイプオルガンの音色を体感できるに違いない,
 と直感的に思った。
ところが,
最初に入った教会ではミサをやっていなかった。
 「どうしてミサをやらないのか?」と神父らしき人物(実は牧師)に尋ねると,
 「プロテスタント!!」と怒鳴られた。
 (プロテスタント教会ではミサをやらないことを知らなんだ。)
気を取り直して,その後に入った,カトリック教会では,
 荘厳なパイプオルガンの音色を堪能できたからよかったが。
  プロテスタントのアノ牧師は,怖かった。