北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

今朝(2017.10.27)の訃報欄

今朝方,ダイニングにて,
篠沢秀夫先生が亡くなった,ってよ。」とカミさん。
「そうか。」と言って,朝刊の訃報欄をみるWADASU。

「篠沢教授」といえば,我々の世代は,直ぐに大橋巨泉司会の
人気テレビ番組「クイズダービー」を思い浮かべる。
約1名ゲスト出演者も混じっていたが,レギュラー出演者にクイズの問題を出し,
公募等で選ばれた「ダービー観戦者」に,
問題ごと,出演者の中から,正答できそうな出演者を選ばせ,賭けさせる。篠沢教授のように正答率が低い解答者の場合は,掛け倍率(オッズ)が高くなるし,はらたいら(漫画家),竹下景子(女優)のように,正解率が高い解答者の場合は,掛け倍率は低く設定されるので,そのような「手堅い」ところに賭けても,観戦者らの手持ち金は増えにくい。
掛け率を決めるのは,司会者の大橋巨泉だ。
(ちなみに,愛知県出身の竹下景子の父親は弁護士で,
 WADASUが名古屋弁護士会に登録したばかりの頃は,元気に税務訴訟をされていた。)

篠沢教授は,学者ならば当然に知っていて欲しいと思われる問題でも,
驚くような的外れの不正解をして,
泰然自若とニコニコしながら,「愉快,愉快」と発言されてごまかす,
といった愛嬌のあるキャラクターで,
(もちろん,専門外であるから笑っていられるのであるが・・・・)
人間味もあり,人気があった。

そのキャラを思い起こしつつ,朝日新聞の訃報欄をみると,・・・

嗚呼,村上淳一・元教授が亡くなられているではないか!!
篠沢教授と同じく84歳。
WADASUは,大学時代,ろくに司法試験の勉強もせずに,
村上教授のドイツ法の講義には,真面目に出ていた。
今となっては,佐藤誠三郎の講義と全く同様,全てを忘れてしまっているが。
ドイツ法といっても,ドイツ法制史に近い内容であったと記憶しているが・・・。

村上教授から教わったことで,今でも覚えていることは,ただ一つ(細かく分けると三つ)。

村上教授は宣われた。

「君たち,ドイツへ旅行に行くことがあったら,
 是非,見てきて欲しいものが三つある。」と。

 

村上教授(ドイツ法)が,ドイツで鑑賞すべしと宣われた,
ドイツにおける「三つの目玉」とは,
具体的には,
⑴ オペラ
⑵ サッカーの国際試合
⑶ 教会ミサでのオルガン音楽
の三つだ。

当時は,未だ「Jリーグ」がなく,国際試合に於けるサッカーファンの熱狂は,
日本のプロ野球の比ではない,とのことだった。
それに,村上教授が言われるには,

「バッハは,レコードで聴くべき音楽ではない。
教会建物内部での閉鎖的な空間からくる独特の音響効果によって,背後から流れてくるパイプオルガンの音色には,魂を震撼させるものがあり,教会音楽として聞くものだ。」とのこと。

私は,司法試験に合格した年,
当時,ドイツ(Bonn)に留学中だった友人(当時,京都大学助教授)の新婚家庭に押しかけることも目的の一つに加え,
ドイツを旅行したことがある。

丁度,「ベルリンの壁」が崩壊した直後だった。

中世の城壁に囲われた街,ゾースト (Soest)を訪れたときは日曜日だった。
商店街は何処も彼処も閉店。法律で日曜日の営業が禁止されていたのだ。

そうか,教会に入れば,きっと,ミサをやっているに違いない,
そうすれば,村上教授の言われた,パイプオルガンの音色を体感できるに違いない,
と直感的に思った。

ところが,

最初に入った教会ではミサをやっていなかった。
「どうしてミサをやらないのか?」と神父らしき人物(実は牧師)に尋ねると,
「プロテスタント!!」と怒鳴られた。
(プロテスタント教会ではミサをやらないことを知らなんだ。)

気を取り直して,その後に入った,カトリック教会では,
荘厳なパイプオルガンの音色を堪能できたからよかったが。
 プロテスタントのアノ牧師は,怖かった。