北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「弁護士」は「司法書士」の「下請業」か?

「別の弁護士も非弁提携」(1月14日,讀賣新聞)

というタイトルの愕然とさせる記事を読んだ。

「非弁提携」とは,弁護士が無資格者と業務提携をすることをいい,法的に禁止される(弁護士法27条,弁護士職務基本規程11条)。弁護士業務の裏で,無資格者に法律事務をさせない,弁護士業務(法律事務)の不法な利用をさせない,という趣旨のものである。典型的には,サムライ稼業の商売ベタな弁護士が,商売上手な周旋(しゅうせん)屋から,継続的に事件の紹介を受け,周旋屋に事件の紹介料を手渡すといった類型の行為を禁止するものである。
 この場合,法律業務は弁護士が行うので,通常であれば,報酬の大半は,弁護士が取得し,周旋者にその報酬の一部が支払われるにとどまる。ちなみに,司法書士も,法律事務ができるが,司法書士の場合は,法律上、140万円を超える 民事事件の相談・和解・代理が禁止されている(司法書士法3条)。

ところが,前掲記事の例は,男性司法書士が請求額140万円を超える法律事件を事実上受任し,その紹介で,女性弁護士が当該法律業務を請け負った結果として発生した報酬が,女性「弁護士」の方が約20万円で,男性「司法書士」の方が約65万円(約3倍半)だったという。まるで,弁護士が,司法書士の「手下」として,司法書士から報酬を「搾取(さくしゅ)」されているといった様相の類型で,これまでの「非弁『定型』」の型(パターン)には,なかった「非弁『提携』」である。まるで「下剋上(げこくじょう)」ではないか!

読売新聞は,「法曹倫理に詳しい」有識者として,
「村岡啓一教授(白鵬大学,じゃなくって白鷗大学・刑事法)」から,
「法曹人口の大幅な増加で,若手を中心に『食えない弁護士』が増えた」という背景事情を語らせている。

取材先が違うだろう!!

どうして,
「法曹養成制度に詳しい」
「佐藤幸治(京都大学名誉教授・司法制度改革審議会元会長)」
あるいは,
「弁護士の実情に詳しい」
「中本和洋氏(日本弁護士連合会・現会長弁護士)」

の両名にに対して、コメントを求めなかったのか!!???

バカモノめが。

日本の司法・弁護士制度を「沈没」させるのに,一役買った彼らこそ,

前記問題のコメンテーターとしてふさわしいし、

われわれ良識派の弁護士こそ、彼らのコメント・釈明を望んでいる。

公開質問状を突きつけたいくらいだ。