北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「長崎原爆犠牲者慰霊平和記念式典」が国際的にボイコットされた

 

「長崎原爆犠牲者慰霊平和記念式典」が、日本を除く、先進6ヶ国:米英独仏伊カナダとEUの各大使の全員欠席(ボイコット)にみまわれた。理由は、鈴木史朗・長崎市長が、「ガザ攻撃を続ける」イスラエルを当該記念式典に招待しなかったことにあるもよう。だとすれば、鈴木市長は、明らかに政治的判断を誤ったものといわざるを得ないであろう。イスラエルは、核を保有しているとみられているが、核保有宣言をしているわけではないし、もちろん、核を使用しているわけではない。「ガザ攻撃を含む交戦中の国は、平和記念式典に相応しくない。」という政治的判断があるのかもしれないが、ハマス側が国際法違反の、一方的な先制攻撃(一般市民の多数の犠牲を伴う。)をしかけてきたのであるから、国際社会の常識として、イスラエルの交戦は、「攻撃」というよりは「抗戦ないし防戦」というべきであろう。
 鈴木市長独自の政治的判断から、かえって「平和記念式典の国際的意義」を低下させてしまったものと評すべきではないか。交戦国にこそ式典に参加してもらって、平和の重要性を再認識してもらうことにこそ、「平和記念式典の国際的意義」があるのではないのか。