北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

ちょっと,宮川紗江選手の隣の,お若い弁護士!!,大丈夫かぁ?

 リオデジャネイロ五輪(2016年)での体操女子代表選手にして,東京五輪・代表候補の宮川紗江選手が,日本体操協会の役員である塚原光男日本体操協会・副会長)・塚原千恵子同協会・常務理事夫妻による「パワハラ」を告発したことが,話題になっている。

平成30年8月29日、塚原夫妻が牛耳る公益財団法人日本体操協会は,「宮川選手に速見佑斗コーチが暴力を振るった。」などと,速見コーチからの“愛のムチ”に言いがかりをつけて,速見コーチを無期限登録抹消処分にしたが,当該処分に対抗して,宮川選手が記者会見を開き,内情は,塚原千恵子氏から,「このままでは五輪には出られなくなるよ」などと脅され、「家族でどうかしている、宗教みたい」と高圧的なパワハラ発言のもと,同氏自身が設営する朝日生命体操クラブへの引き抜きを強要されかけた,という趣旨の事実を告発した,というのだが・・・。

勿論,宮川選手の記者会見による“女帝”らへの勇気ある「告発」には拍手を送りたい。
あれだけ大々的にド派手に「会見」=「告発」すれば,あとはマスコミ関係者・シンパらが,自動的に声援を送ってくれるだろうし,支援者も現れてくれるであろう。

が,体操競技界のことには全くド素人の私が横から口をはさむのも何だが,
宮川選手にとって,“今”,何よりも重要な問題=課題は,東京五輪代表選手に選抜されることではないのか??
 そのためには,一刻も早く,心おきなく,「速見佑斗コーチ」との二人三脚・マンツーマン指導のもと,ナショナルトレーニングセンター(NTC)で,一に練習,二に練習,・・・ができる生活環境・練習環境を確保・整備することこそが最重要課題ではないのか???

であれば,法的対応においても,「速見佑斗コーチ」(その代理人弁護士)との連携は絶対的に不可欠だったはずある。すなわち,宮川選手の代理人弁護士が,速見コーチの代理人弁護士を兼ねるか,少なくとも,速見コーチの代理人弁護士と方針を協議・連携することに,全力を傾注すべきではなかったか。

ところが,・・・

速見元コーチの方は,日本体操協会によるコーチとしての無期限登録抹消処分を受け入れるべく,東京地裁への地位保全の仮処分申立てを早々に取り下げてしまっているではないか!! 既に,速見コーチに対する,日本体操協会=塚原夫妻(についた弁護士)からの「魔の手」が伸びていき,「裏工作」「裏取引」が奏功してしまっているのではないか??

この時点で,宮川選手に付いた「弁護士」は,
既に「戦略的に負け!!」を確定させてしまっているのではないか?

宮川選手に宛てた,塚原夫妻からの「サインだけ」直筆の,全く誠意が感じられない「歯の浮くような」「謝罪文」は,誰がみても「弁護士をゴーストライターとする」ミエミエの作文であって,塚原夫妻のバックに相当有能な実力派弁護士が控えていると考えなければならない。

宮川選手の代理人弁護士は,マスコミに颯爽と出演するヒマがあったなら,
速見コーチの代理人弁護士と連携して,「東京地裁への地位保全の仮処分申立てを絶対に取り下げるな!!」と速見コーチを鼓舞すれば,上記事態は回避できた可能性はなかったか。速見コーチだって,金メダル選手を育てたかったであろうから。
そして,宮川選手の代理人弁護士の方では,速見コーチの仮処分申立てと並行して,自らは,無期限登録抹消処分の無効確認請求権を被保全権利として,日本体操協会及び塚原夫妻を相手方として,「速見佑斗コーチ」指導のもとでの,ナショナルトレーニングセンター(NTC)での練習・使用の妨害禁止の仮処分命令の申立てでもするべきではなかったのか??

弁護士は,他の弁護士が受任している事件に不当に介入してはならないことになっている(弁護士職務基本規程72条)。

もとより,私は体操業界のことはド素人なので,単なる「ヤジ」しか飛ばせない。
が,他人事ながら,宮川選手の代理人弁護士の対応には,ちょっとばかり疑問を感じるなあ。