北口雅章法律事務所

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平成天皇・皇后両陛下の肖像画を拝見して,

野田弘志画伯の描く
平成天皇・皇后両陛下肖像画拝見して思い起こした。
後記・小林秀雄のエッセイを。

「風景画や静物画が通例の事となった今日でこそ,自然という対象を苦もなく考えるのだが,・・・自然はただ与えられてはいない。私達が重ねてきた見方のうちに現れるのである。画家は,人間との交際に似た,あるいは人間との交際が教えたある種の関係を,自然との間に結ばねばならぬ。」
モデルを描きながら,自分の『理想』的な形を追う事ができなければ,モデルはモデルの用をなすまい。・・・」(小林秀雄「金閣焼亡」『感想Ⅳ』全集第8巻)

(※ちなみに,東大文系・昭和49年度第一次試験で,上掲・引用文中の『理想』の二文字が穴埋め問題として,出題されていたんだわさ。)

野田画伯の天皇・皇后両陛下への慈しみの情が『理想』的に投影された絵ですね。

かつて,宮廷画家たちも同じような思いから,数々の名画を残したのでしょうか。