北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

Michelangeloの手紙

先日(2017/07/29), 大学・教養部時代(ドイツ語選択)のクラス会をやる,
というので,久しぶりに,名古屋から上京した。
WADASUにとっては,実に35年ぶりのクラス会だ。

クラス会は,学士会館(神保町)12:30から,とのことなので,
その前に,東京駅から歩いて,三菱一号館美術館に立ち寄り,
「レオナルド×ミケランジェロ展」を鑑賞した。
 http://mimt.jp/lemi/

本作を描く前の,素描・スケッチが,既に超一級の芸術という
二人の天才の作品群を「対比」してみられる機会は滅多にない。
da Vinci作とみられるアンドレア・デル・ヴェロキオ工房《キリストの洗礼》の天使のための習作と,《岩窟の聖母》の天使のための習作だけも,もう十分満足できる。

 

da Vinci作の素描もさることながら,
ミケランジェロ自筆の手紙の文字にも感銘を受ける。

ワープロのない時代なのに,ワープロ文字のようなカチッと整った
手書きの文字列が,全く誤記・修正もなく並ぶ。
彼の几帳面な性格と,言語的にも整理された頭の中を
のぞき見るような感じだ。

と,このとき,フト,WADASUは,大学時代のことを思い出した。

N君が欠席した日の講義の内容を知るべく,
T君のノートを見せてもらった際に,WADASUにも見せてくれた,
そのノートの内容と筆記文字を思い出したのだ。

1時間40分だったかの講義において,必要最小限の要点が,
万年筆を使って,整然とした文字で,
わずか1ページまとめられていたのだ。
ノートの記載内容が既に模範答案といった印象を受けた。
「秀才のノートというのは,こういうものか。」と感心したことが
あったなぁ,と思いだしたのだ。

で,そんなことを思い出しながら,クラス会の会場(学士会館)に出向くと,
会館前の交差点を小走りに渡るひょろっした男性の後ろ姿を見た。
T君だ!。偶然とはいうものの吃驚。
「今,三菱一号館美術館に寄って,『レオナルド×ミケランジェロ展』を見てきた。
 ミケランジェロ直筆の手紙をみて,学生時代に,Nから見せてもらった,
 君のノートのことを思い出していたところだ。」と話したら,笑っていた。

T君は,やはり既に,日本の国政の中核を担う,某省・某局長に出世していた。