弁護士のブログBlog
ある「医療過誤事件の報道」について(コメント)
- 2018-02-17
「胃がん」の「見落とし」があり,約7か月の間,治療が遅れたとのことであるが,
医療訴訟を手掛けていると,このレベルの話は,決して珍しいことではない。
「この程度」と言っては失礼であるが,テレビで大々的にとりあげるほどのものか?
ちょっと,疑問ですね。しかも,「おととし1月」の事故を今ごろ???
(患者ご本人が,病院のその後の対応に怒って,テレビ局にリークしたのであろうか?)
本件医療事故の原因は,病理医Cが,「胃がん」の診断をくだし,
電子カルテ(検査報告書)にその旨を記載していたにもかかわらず,
病理検査を依頼した消化器内科医Bも,
消化器内科医Bに胃カメラを依頼した主治医Aも,
上記診断に気づかなかった,とのこと。
誰が悪いのか?
結論的には,やっぱり,関係者全員,マズイよね。
「胃カメラ」の「依頼者」(消化器内科医B)に一言,
「胃がんでしたよ。」という声かけをしなかった病理医Cは,冷たい!
病理医の検査報告書も読まずして,「胃潰瘍」と措信した(?)
消化器内科医Bは,「所詮,主治医はA医師だから,ボクには関係ない。
病理検査の結果は,当然,LANでつながったPCで,A医師が確認するであろう。」
とでも,思ったのであろうか。
「仲介者」として,消化器内科医Bは,ちょっと,無責任ではないか?
主治医Aも,消化器内科医Bに,「胃カメラの結果は,どうなりましたか?」
と尋ねるべきだし,消化器内科医Bから「標本を採取して,病理検査に回しましたよ。」
と聞けば,その結果を,当然,先方に確認すべきであろう。
もっとも,A医師の立場からすれば,「胃がんなら,胃がんと一言,知らせてくれればいいのに!」
「B先生は,消化器内科がご専門なんだから,治療方針を教示してくれたっていいのに!」
という「恨み節」も言いたいところであろうが。
こんなことまでやらされるんだったら,
病理医に限らず,悪性腫瘍,緊急疾患を疑った医師は,必ず,
責任をもって,主治医に対し「直接」「口頭で」伝えること!!,
と訓告し,それを怠った医師は,全員「□□%の減給!」という罰則規定を設けるべきであろう。
それにしても,「花房」先生!
もうちょっと,悄気た(しょげた)ポーズをとれないものでしょうか?
目を細め,ニコニコ顔にみえてしまうのは,私だけであろうか??
この表情をもって,「不謹慎!」と思うか,「温厚な性格の現れ」とみるかは,
人それぞれでしょうが。
花房先生も,減給でしょうかね。お気の毒に。