弁護士のブログBlog
裁判の参考資料として役立ちそうな医学文献はないものか?と思い、知人の大学医学部・研究者に頼んで、あるキーワードを掛け合わせで、ヒットした医学文献の表題とサマリー部分をドドッと送信していただき、読み始めたところ、…
何故か、「痛い」はなしが次々に出てくる。
以下に若干紹介するが、読むだけで「痛み」を感じる。
その1 「症例は70歳男性。食事中に急激な腹痛が出現した。歯間に糸が挟まっているのを見た妻は、焼きそばの調理中に縫い針が混入し、夫が誤嚥したことに気づき、直ちに近医を受診した。CTで針状の異物が食道内に刺さっていた。10時間後に精査加療を目的に当院へ搬送された。耳鼻咽喉科専門医が針を喉頭鏡で摘出しようとしたが失敗した。胸部及び腹部CTで針の正確な位置を確認したところ、針は食道を貫通しており、……肺動脈穿通…」〈いい妻をもらったね〉
その2 「症例は62歳男性。巣を草刈り機で直接刺激し、20匹ほどの中型のスズメバチの大群に襲われ、左下肢を10数ヶ所刺された。5分後に生じたアナフィラキシー症状は蕁麻疹を除き自然回復したが、刺傷1時間半後に二相性の反応によるアナフィラキシーショックになった。」
その3 「22歳男性。排尿後に誤ってズボンのジッパーに陰茎包皮を挟み込み、自己解放を試みるも困難であったため当科へ受診となった。所見ではジッパーに食い込んだ包皮は浮腫があり、浅いびらんと軽度の出血がみられた。そこで、局所麻酔後にジッパーのメディアンバーをペンチで切断し、ジッパーを破壊して陰茎包皮を解放した。その結果、受傷12時間後の再診時には陰茎包皮に紫斑が認められただけであったが、受傷8日後には同部位に潰瘍を……」
人々の生理的・病理的「激痛」を受け止め、対策を講じるのが医師。
そして、人々の経済的・精神的「苦痛」を受け止め、回復・改善策を講じるのが弁護士なんだわさ。