弁護士のブログBlog
京都市の減給処分は妥当か?
- 2025-02-03
「艱難辛苦」は知っていたが、恥ずかしながら、「粒粒(りゅうりゅう)辛苦」(こつこつと苦労を積むこと)という熟語があるのを、今日(昨日)初めて知った。米を作る農民が一粒一粒にかける大変な苦労の意が原義らしい。
さて、京都市立の小学校で、欠食児童の残した給食を食材として、「残業の教員への差し入れのために」調理し、夜食として提供した女性調理員二名が、減給処分を受けたという。「編集手帳」によると、①京都市の衛生管理規則違反と、②公共設備(行政財産)の目的外利用が、その処分理由らしい。
日本人として「人間性の劣化」に、情けないものを感じる。
はたして、女性調理員の思いやりのある「善行」が、「懲罰」に値するものなのか?。
些細な規則違反ではないのか。当局に「密告」した御仁(教員?用務員?)は、何故、「黙認」してやらなかったのか。
食品衛生上の問題は、①同じ日に調理された食材であることから腐食は未だ始まっていなかったと考えられること、かつ、②受給された教員の同意があることから、保護法益の侵害の問題はない。設備の目的外利用の点も、「残業の教員」の業務を支援するという正当な目的によって、正当化されるのではないか。いずれの処分理由も、形式論に過ぎない。「減給処分」は重すぎる。口頭注意か、せいぜい戒告で足りよう。
てなわけで、減給処分を受けたお二方。
委任してくれれば、ボランティアで、京都市長を被告として、京都地裁に処分取消訴訟を起こしてやってもいいぞよ。