北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「風成(かざなし)の女たち」と司法修習時代の思い出

私は,司法修習時代,大分地裁の管轄下で実務修習を受けたが,
大分弁護士会には,行政事件・行政訴訟で高名な弁護士がみえる,
とかねがねうかがっていた。
それが,岡村正淳(まさあつ)先生だ。

大分県知事が,セメント企業の誘致を図るべく,
当該企業の公有水面(風成の漁港)の埋立免許を付与したことについて,
岡村先生は,大分県臼杵市の漁港「風成(かざなし)」の漁民らの代理人として,
公害予防・環境保全の観点から,その適法性を争い,
裁判所をして,公害防止対策が不十分であるとの理由のもと,
当該埋立免許の取消を認めさせた。

この裁判は,公害予防を目的とした裁判闘争の先駆的な事件として著名で,
その裁判闘争のドラマは,松下竜一著「風成の女たち」でも描かれた。

 

そして,私を含む大分修習の同期4名は,
岡村先生から直々に,行政訴訟実務について,講義を受けた。

今日,日弁連から月刊誌『自由と正義』1月号が郵送されてきたが,
表紙をめくった1ページ目に,
「今も碧く澄み渡る風成の海(大分県臼杵市)」
との文字が目に飛び込んできた。

おお!,岡村先生が,巻頭言を飾っているではないか!